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毎週木曜日更新

第3回 水はからだを守る 

2007.7.19

皆さん、これからが夏本番、暑い季節になります。
皆さんは、ラウンド前・中・後によく水分を摂りますか?
ラウンド後は飲むが、ラウンド前・中にはあまり飲まないと答えた人が多いのではないでしょうか。そのような人は、ラウンド中に目まいや頭痛で悩んだり、からだがだるくて動きづらいと感じたことがありませんか? それがこの時期に多い、熱中症です。
私が小さい頃は、「体力が落ちるから水を摂るな」と言われていました。
しかしトイレに行く振りをして、蛇口に口をつけてよく水を飲んでいたのを記憶しています。
あれがなかったら、きっと熱中症になっていたことでしょう。
熱中症の言葉をよく聞き、水分が不足すると熱中症になることを理解している人は多いことでしょう。しかし、熱中症にならないようにするにはどうしたらよいかを理解している人は少ないと思いますので、簡単にご説明します。
【熱中症の分類】 熱中症は、4つの症状に大きく分類できます。
《重症度》
※死亡するおそれの高いものを『高』、低いものを『低』と表示しています。
1)熱失神
  皮膚血管の拡張によって血圧が低下、脳の血流が減少しめまいや失神を起こす。 そのほか、脈が速くて弱くなり、顔面蒼白、呼吸回数の増加、唇の痺れなども見られる。
2)熱疲労
  大量の汗をかき水分補給が間に合わず脱水により倦怠感などの症状を起こす。脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、 吐き気なども見られる。
3)熱けいれん
  大量に汗をかき、水だけを補給して血液の塩分濃度が低下した結果、足、腕、腹部などの筋肉に痛みを伴ったけいれんが起こる。
4)熱射病
  体温の上昇のため中枢機能に異常をきたしてしまう状態。意識障害(応答がない、言動がおかしいなど)があり、死亡率の高い症状。
(財)日本体育協会発行『スポーツ活動の熱中症予防ガイドブック』参照
成人の体重の約70%が水分と言われています。
その体重が、運動時に2%汗となって減少すると、パフォーマンスが低下し、3%減少すると運動能力や体温調節機能が低下、4%減少すると脱水症状を招いてしまいます。
そのため、2%以上減少しないように水分を摂って体重を調整することが、熱中症にならない目安になります。
では、飲む量とタイミングはどうでしょうか?
当然、暑い時は自然と飲む量が多くなると思いますが、普段から暑さに関わらず、ある程度の量を飲むことが大切になります。
私は普段、運動前に約500mlは飲むようにアドバイスしています。
そんなにと思う人もいるとは思いますが、実際こまめに摂っているとそのくらいはすぐに飲んでいるようです。
では、ラウンド中はどうでしょうか?
この時期、サッカーやバスケットボールですと、選手には15~20分に約200ml(コップ一杯分)の水分を摂るようにアドバイスしていますが、ゴルフの場合は最低でも2ホールに1回は摂ることが必要ではないでしょうか。皆さんは摂っていますか?
アスレティックトレーナー 黒澤洋治コラム
飲みすぎや、冷たい飲み物は胃に負担となり、体温調節がうまくいかずに
発汗や体力の消耗を早めてしまいます!
本体を握ると1回に口にふくむ適量が出る「スクイズボトル」が便利ですよ。
以前ツアーに帯同していた時に、熱中症で倒れた観客を2度見たことがあります。
ツアーを観戦しているだけでもそのようなことが起こるのです。
そうならないためにも、普段から水分補給を心掛けましょう。
アスレティックトレーナー 黒澤洋治コラム
ツアー観戦の際は、ドリンクコーナーが何処にあるかチェックしておきましょう!
帯同していたプロには、パフォーマンスを低下させないために、ウォーミングアップの前とラウンド後に体重をはかって、2%以内の減少を目安に水分補給のアドバイスをおくっていました。皆さんも試してみてください。
また、この時期は熱中症にならないよう、服装(吸湿性や通気性の良い素材)や十分な睡眠、食事などにも気を使いましょう。
しかし同じ水分だからといって、プレー前・中のビールなどのアルコールは利尿作用があり、脱水などを引き起こす原因になりますので、家に帰ってからゆっくりと飲んでくださいね。
この夏は、水分補給をしっかり行ってパフォーマンスを維持し、ゴルフをエンジョイしましょう。
 
次回更新予定:2007年7月26日

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